4 つのカテゴリの定義
併願戦略を考えるときの基本フレームは、各受験校を以下の 4 つに分類することです。
| カテゴリ | 持ち偏差値との差 | 合格率の目安 | 位置付け |
|---|---|---|---|
| チャレンジ校 | −5 以下(学校の方が高い) | 20〜40% | 受かれば嬉しい第一志望、または記念受験 |
| 本命校 | ±2 程度 | 50〜80% | 進学する可能性が最も高い、6 年間通うイメージのある学校 |
| 安全校 | +5 以上(自分の方が高い) | 85%以上 | 合格を取りに行く、進学先として納得できる学校 |
| お守り校 | 1 月校(前受け) | 60〜90% | 2 月本番前の自信構築・実力把握、合格通知でメンタル安定 |
5 校で組む配置パターンと全落ちリスク
合格率を仮定値(チャレンジ 30% / 本命 60% / 安全 85% / お守り 70%)で固定して、 パターンごとの全落ちリスクと「本命以上に合格する確率」を計算したものです。
| パターン | チャレ | 本命 | 安全 | お守り | 本命以上合格 | 全落ちリスク |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 堅実型(推奨) | 1 | 1 | 2 | 1 | 72% | 0.2% |
| 挑戦型 | 2 | 1 | 1 | 1 | 80% | 0.9% |
| 安全重視型 | 0 | 1 | 3 | 1 | 60% | 0.0% |
| お守り省略型(非推奨) | 1 | 2 | 2 | 0 | 89% | 0.3% |
| チャレンジ集中型(危険) | 3 | 1 | 0 | 1 | 86% | 4.1% |
堅実型(推奨):チャレンジ 1・本命 1・安全 2・お守り 1。全落ちリスクが最小、本命以上の合格も狙える鉄板配置。
挑戦型:チャレンジ 2・本命 1・安全 1・お守り 1。持ち偏差値より上を狙いたい家庭向け。安全校が 1 校だけなのでリスク高め。
安全重視型:チャレンジ 0・本命 1・安全 3・お守り 1。とにかく全落ちを避けたい家庭向け。本命落ちでも安全校に進学する想定。
お守り省略型(非推奨):1 月校なし。本人が遠方や私立慣れしていないと、2 月本番で「初めての試験」に動揺するリスク。
チャレンジ集中型(危険):安全校なしで挑戦多め。本人の力量と当日運次第で全落ちが現実化する。中学受験の現場では避けるべき。
配置論の鉄則
- 安全校は最低 2 校:1 校だけだと「番狂わせで落ちる」可能性が無視できない(10% × 10% で同時不合格 1%、しかし入試は独立イベントとは限らない)。
- お守り校(1 月校)は必ず入れる:本番前の練習価値が大きい。得点開示がある栄東などは特に有効。
- チャレンジは 1 校に絞る:複数チャレンジは精神コストが高く、本命の集中を削る。
- 本命はぴったり〜やや上に置く:「下にずらして安全に」では本人が納得しない結果になりやすい。
カテゴリの「数」より「質」を優先する場面
上記の配置論は「全落ちリスクを最小化する」観点。 ただし「進学できれば 1 校で良い」という中受の本質を考えると、以下のケースでは安全校の数を減らしても良い:
- 本命に納得感が極めて高く、落ちたら公立進学でも構わない(家庭の方針)
- 持ち偏差値が高く、安全校としての候補がそもそも狭い(本命と同レベル校だらけ)
- 1 月校で既に十分な合格を確保している(公立校避けの目的なら 2 月安全校は減らせる)
実際の合格率は持ち偏差値・学校 σ・問題傾向で変わります。 受験リアルの併願プランナーに自分の組み合わせを入れると、 個別の合格率と全落ちリスクを正規分布モデルで試算してくれます。