偏差値が「回ごとに違う」現実
SAPIX の偏差値表を見ていると、同じ学校でも入試回(1 回目・2 回目・3 回目)によって 偏差値が ±3 以上違う ケースが珍しくありません。 これは表記揺れではなく、「合格する難しさが本当に違う」ためです。
差が大きい学校(首都圏 SAPIX 偏差値 80%)
受験リアル登録校で、同一校の入試回間で 80% 偏差値の差が大きいトップ。 差が大きいほど「1 回目と 2 回目で別物の入試」と捉える必要があります。
| 学校 | 各回の偏差値 | 差 |
|---|---|---|
| 東京都市大付属 | 02/01 48/02/02 57/02/04 53 | +9 |
| 城北 | 02/01 45/02/02 50/02/04 53 | +8 |
| 本郷 | 02/01 53/02/02 57/02/05 60 | +7 |
| 芝 | 02/01 49/02/04 56 | +7 |
| 攻玉社 | 02/01 48/02/02 54/02/05 54 | +6 |
| 香蘭女学校 | 02/01 50/02/02 56 | +6 |
| 巣鴨 | 02/01 46/02/02 50/02/04 52 | +6 |
| 高輪 | 02/01 43/02/02 48/02/04 47 | +5 |
| 桐朋 | 02/01 48/02/02 53 | +5 |
| 青山学院横浜英和 | 02/01 44/02/02 46/02/03 48 | +4 |
| 田園調布学園 | 02/01 49/02/02 51/02/04 53 | +4 |
| 学習院女子 | 02/01 48/02/03 52 | +4 |
| 開智日本橋学園 | 02/01 46/02/01 50/02/02 47 | +4 |
| 三田国際 | 02/01 49/02/02 53/02/04 51 | +4 |
| 世田谷学園 | 02/01 45/02/02 46/02/04 49 | +4 |
なぜ差が出るのか
1. 受験者層が違う
2 回目入試は「1 回目で本命に落ちた人」が押し寄せるため、受験者全体のレベルが上がる。 1 回目で第一志望に届かなかった上位層が「もう一度チャレンジ」する場として 2 回目を選ぶので、 当然偏差値も上がる。聖光学院 1 回(2/2)と 2 回(2/4)で偏差値が違うのが典型。
2. 合格枠(定員)が小さい
ほとんどの学校で 1 回目の合格枠が最も大きく、2 回目以降は定員が一気に絞られます。 例えば 1 回目 200 名・2 回目 50 名のような構造。受験者数は同程度かそれ以上なのに枠が 1/4 になれば、 合格に必要な得点ラインは大きく上がります。
3. 入試形式の違い(午後入試・1 科入試)
午後入試や算数 1 科入試は、特定の科目に強い受験生が集中しやすく、 偏差値帯としては高めに出ることが多い。 例えば「攻玉社 算数選抜」「世田谷学園 算数特選」「広尾学園小石川 1 回(午後)」など。
4. 模試生徒層との相性
SAPIX 偏差値はあくまで「SAPIX 公開模試受験生」という限定された母集団の中での序列。 SAPIX 生がそもそも多く受験する学校(御三家・難関)は偏差値表通りに出やすい一方、 SAPIX 比率が低い学校は偏差値の精度が相対的に下がる。
併願戦略への活かし方
- 1 回目で「届かなかったけど近かった」学校に 2 回目で再挑戦する場合、 2 回目の方が偏差値が高い前提で、合格率を上方修正せず慎重に判断する。
- 同じ学校を 2 回受けるとき、間に他校を挟まないのが基本。連戦疲労が蓄積する。
- 午後入試の偏差値が高めに出ているのは特殊事情であって、 学校自体のレベルが上がったわけではない。学校の進学実績や校風は 1 回目で評価する。
- 2 回目以降の合格枠は小さいので、「1 回目の合格者が辞退するか」「補欠が回るか」 のメタ要素も合格可能性に影響する。
受験リアルの併願プランナーと合否シミュレーションでは、 同じ学校の各入試回ごとに別の合格率を計算し、再受験パスを「すでに合格していたら受験せず」と扱って正確に 進学先確率を試算します。