σ(シグマ)とは何か
中学受験で各塾が公表する「80% 偏差値」は、その学校に対して 80% の合格可能性が見込める偏差値ライン。 受験リアルでは SAPIX 公表データを元に、当日の出来に対する合格カーブの幅 σ(シグマ)を学校ごとに推定しています。σ が広い学校ほど「持ち偏差値より上にも下にも振れやすい」、 狭い学校ほど「実力通りの結果が出やすい」と解釈できます。
σ の数値解釈はざっくり以下:
- σ ≦ 4.2(狭い):実力通りの結果が出やすい。処理力型・オーソドックス。
- σ 4.3〜5.5(標準):当日の振れは平均的。
- σ ≧ 5.6(広い):番狂わせが起きやすい。思考力型・記述重視。
実装:当日の出来を正規分布でモデル化
当日の本人の出来 X が N(D, σ²)(D は持ち偏差値)に従うと仮定すると、 合格率は次の式で連続的に推定できます:
合格率 = Φ((D − 80%偏差値) / σ + Φ⁻¹(0.80))
= Φ((D − 80%偏差値) / σ + 0.8416)持ち偏差値 = 80% 偏差値のとき合格率 80% にちょうどなるよう、Φ⁻¹(0.80) ≈ 0.8416 をオフセットに使っています。 σ の学校別推定値は、SAPIX が公表する判定基準データから内部で計算しています。
番狂わせが起きやすい学校 トップ 10(σ 広い)
持ち偏差値より下からの逆転合格、上からの不合格が起きやすい学校です。
| 順位 | 学校 | SAPIX 偏差値 | σ |
|---|---|---|---|
| 1 | 麻布 | 60 | 9.51 |
| 2 | 慶應SFC | 58 | 7.13 |
| 3 | 駒場東邦 | 59 | 7.13 |
| 4 | 立教池袋 | 49 | 7.13 |
| 5 | 青山学院横浜英和 | 44 | 5.94 |
| 6 | 浅野 | 58 | 5.94 |
| 7 | 田園調布学園 | 49 | 5.94 |
| 8 | 海城 | 60 | 5.94 |
| 9 | 開成 | 68 | 5.94 |
| 10 | 神奈川大学附属 | 49 | 5.94 |
実力通りの結果が出やすい学校 トップ 10(σ 狭い)
偏差値で順当に合否が決まりやすい、処理力型の学校です。
| 順位 | 学校 | SAPIX 偏差値 | σ |
|---|---|---|---|
| 1 | 慶應中等部 | 58 | 2.38 |
| 2 | 攻玉社 | 48 | 2.38 |
| 3 | 西大和学園 | 61 | 2.38 |
| 4 | 渋谷教育学園渋谷 | 62 | 2.38 |
| 5 | 巣鴨 | 46 | 2.38 |
| 6 | 東京都市大付属 | 48 | 2.38 |
| 7 | 都立小石川中等教育 | 60 | 2.38 |
| 8 | 早稲田佐賀 | 54 | 2.38 |
| 9 | 栄東 | 57 | 3.56 |
| 10 | 広尾学園小石川 | 49 | 3.56 |
併願戦略への活かし方
- 本命に σ が広い学校を入れると、偏差値より上の学校でも逆転の余地があります。一方、安全校として σ が広い学校を選ぶと「番狂わせで落ちる」リスクも上がるので注意。
- 安全校・お守り校は σ が狭い学校のほうが「実力で押せば受かる」という安心感が得られやすい。
- 同じ σ の学校でも問題傾向(記述 vs スピード)が違うので、対策の分散を避けたい場合は傾向の似た学校で σ を意識するのが有効。
受験リアルの併願プランナーと合否シミュレーションでは、この σ を学校ごとに反映した合格率カーブで分岐ツリーを描画しています。